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Le Garde」 vol. 9   2008.8.9
2008.8.9 横浜 港仏蘭西料理 むなかた(本牧・麦田)
横浜・山手のフレンチ、“むなかた”でのワイン会「Le Garde(ル・ガルド)」に参加しました。同ワイン会(というか料理とワインを楽しむ会ですね)はここ2回ほど欠席していましたが、この日は初めてお会いする顔ぶればかりで、この会の発展の勢いを感じました。

それにしてもここの料理は美味しい。頑固一徹な王道というわけではなく、かといって創作とひとくくりにできる一皿一皿ではなく、また奇を衒うわけでもなく、素材の良さ(特長といったほうが正解かも)をそのまま伝えてくれるシェフのマジックにはいつも驚かされますが、今日はとくにその極みを感じました。

また、今日楽しみにしていたのは料理だけでなくワイン。特にボーカステルの99ヌフはわたしにとって唾涎の1本でしたので^^。


Alsace Riesling 2004
アルザス・リースリング
(Riefle/リーフレ)


濃い麦わら色。グレープフルーツの皮、柑橘、石油、ナッツやバターの香り。ややオイリーで熟成が進んだ様子。2004でも熟成がこれだけ進むのはボトル差なのか、それとも作り手の個性なのか。
駆けつけの一杯にはややどっしりと重たい感じがしましたが、口中ではグレープフルーツとミネラルが印象的で、余韻がいつまでも残っていました。酸はやや厚く低めで、これだけのふくよかさがあれば、メインにも合わせられるボトルだと感じました。

合わせた料理はトマトのジュレと赤ピーマンのフォンダン。思いのほか強かったワインの酒質ですが、素材の青トマトに由来する野菜臭さ(もちろん良い意味です)と完璧なマリアージュでした。
この会のコンセプトは、事前にシェフが供されるワインを飲み、合わせる料理を考えること。ならばこのワインのこの熟成感にこの一皿(赤ピーマンなり、青トマトなり、野菜であることを強く感じる素材をそのまま生かした印象)は、シェフの見事な切り返しといえるでしょう。


Clos du Rouge Gorge Vdp des Cotes Catalanes 2006
クロ・デュ・ルージュ・ゴルジュ ヴァン・ド・ペイ・デ・コート・カタラン

(Cyril Fhal/シリル ファル)
淡い麦わら色。色合いとは裏腹に複雑な香りはスモーキー。ワインを崩さない程度に樽も効いています。シロップのような甘さをほのかに感じる一口目に続いて香草のニュアンスもあり、青っぽさにも深みがあります。飲んでレオニヌのラ・キンタを二周りくらいさらに複雑にしたワインのような印象でしたが、このワインもやはりマカブー種がメインとのことでした。

このワインに合わせた料理は和牛肉のカルパッチョ、パッションフルーツのヴィネグレット、香草サラダ。
ワインとパッションフルーツが見事なマリアージュを見せてくれました。和牛肉も脂身がなく、生肉っぽさが複雑な白とかみ合い、思いのほかすっきりと合わせることができました。


cuvee de Printemps Vdp des Bouches du Rhone 2006
キュヴェ・ド・プランタン ヴァン・ド・ペイ・デ・ブッシュ・ド・ローヌ
(Brillane/ブリヤーヌ)


非常に軽やかでチャーミング。瑞々しい苺といった赤系果実のニュアンスは、ボージョレのニュアンスを感じます。ほどほどのタンニンに甘酸っぱい酸。アフターの青っぽさ。これは夏に飲む赤ワインにもってこいですね。何しろ飲んで肩が凝らないんです^^。なるほど、だからこそ北海道産ボタン海老のベアルネーズ風グラタンとの相性も良かったのではないでしょうか。海老に合わせる赤としては今後もチョイスの参考になりそうな1本ですし、たくさん飲んだけれど、もう少し飲み足りないかなぁといったときに、さりげなく開けられる赤のような存在でもあるでしょう。


Chateauneuf du Pape 1999
シャトーヌフ・デュ・パプ
(Ch.de.Beaucastel/シャトー・ド・ボーカステル)


いわずと知れたボーカステルのヌフパプ。1999と良年でもあり、期待が膨らみます。
やや濃い赤黒で、エッジはほんのりオレンジがかっています。澱やや多め。夏の畳(なんだそりゃ^^)のようなグルナッシュのニュアンスに、スパーシーさやハーブの青さ、赤黒い果実のニュアンス。セパージュによる複雑さも感じられ、また熟成感もしっかりありました。飲む前はまだ若干早いのではと想像していましたが、ようやく飲み頃の入り口にさしかかった感じでしょうか。しかしながらやや閉じぎみでもあり、ベストのタイミングではないような。もう5年後くらいから向こう15年くらいがいい頃合ではないでしょうか。澱の多さや、まだ乾いた印象のタンニンは、このワインの芯の強さとポテンシャルを表しています。

仔牛フィレ肉のパイ包み焼き、ラム酒のソースとの相性はいわずもがな良好。グルナッシュの濃い果実とラム酒のソースは共鳴しているようでした。しかしながら、ワインと料理それぞれの主張の強さもあり、マリアージュとしてはやや物足りなさも感じました。いや、このワインにこの料理で合わないはずがないといったわたしの先入観が、これ以上ない贅沢を求めてしまったのかもしれませんね^^;


トマトのジュレと赤ピーマンのフォンダン
野菜の青い「旨さ」をそのまま残してくれた一皿。最初の一皿ではありますが、ワインとの相性は先制パンチをくらったようなインパクトがありました。

和牛肉のカルパッチョ
パッションフルーツのヴィネグレット
香草サラダ
脂身が少なく、さっぱりといただくことができた一皿。ワインとの相性を踏まえてかトリュフも香草もこんもりと。ベタついたカルパッチョの印象を覆す見事なものでした。

北海道産ボタン海老のベアルネーズ風グラタン
ホタテといい、海老の身といい、パサつかず、水っぽさもなく、見事な火加減のグラタン仕立てでした。これは印象深い一皿でしたが、この後にさらに驚く一皿が待っていようとは。

ノルウェーサーモンの軽いフュメ ティエード
久保井さんのジャガイモのピュレと共に
これだけ肉厚のサーモンですが、スモークされた身はぱらぱらとほぐれるでもなく、明らかな生身でもなく、見事な火入れでした。軽いフュメとはよく言ったもの。見事な仕事に感嘆の一皿でした。

仔牛フィレ肉のパイ包み焼き
ラム酒のソース

むなかたシェフといえば「パイ包み」とはわたしの思い込みでしょうか。それだけ安心感がある一皿。しっとり感が残ったパイとソースがよくからみ、フィレ肉を大事そうにやさしく包んでいました。





終わってみれば、白ワインが印象深かったですね。南仏は面白い白があるもので、再認識の晩餐でした。
次回はキノコと川魚を供したいとシェフから自信満々の提案があり、これに対するワインも次回の楽しみですね。